40代・50代で奥歯を失ったら?放置の影響と家計・通院を考える治療|杉山歯科医院|岐阜県大垣市の歯医者

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40代・50代で奥歯を失ったら?放置の影響と家計・通院を考える治療

40代・50代で奥歯を失ったら?放置の影響と家計・通院を考える治療

抜歯から数週間、食事のたびに気づく「片側噛み」


奥歯を1本失ったあと、無意識のうちに反対側ばかりで噛むようになることがあります。40代・50代になって、こうした変化に戸惑う方は少なくありません。歯が1本ないだけでも、残る歯や噛み合わせには少しずつ負担がかかる可能性があります。


この記事では、次の内容を整理しました。


  • 放置した場合に起こりうる変化
  • 部分入れ歯・ブリッジ・インプラントの考え方
  • 費用と通院の見通し

失った1本より、残る歯をどう守るかという視点が判断の軸になります。大垣市で相談先を探す際の確認事項もまとめています。


この記事の要点まとめ


  • 奥歯を失うと噛み方や周囲の歯に変化が生じる場合があり、診察で状態を確認します。
  • 入れ歯・ブリッジ・インプラントは、歯の位置や歯ぐき、残る歯の状態から検討します。
  • 費用・通院回数・治療後の手入れも含め、生活や家計に合わせて歯科医院へ相談します。

目次



奥歯を失ったまま過ごすと、噛み方や周囲の歯はどう変わる?

奥歯を失ったまま過ごすと、噛み方や周囲の歯はどう変わる?

反対側ばかりで噛むとき、残る歯に目を向けたい理由


奥歯は、食べ物をすりつぶす役割を大きく担っています。1本なくなるだけでも、噛みにくい側を無意識に避けるようになりがちです。片側噛みが続くと、よく使う側の歯や歯ぐきに力が集まりやすくなります。


歯周病で歯を支える骨が減っている場合や、食いしばりの癖がある場合は、その負担が奥歯のぐらつきとして現れることもあります1。ただ、グラグラしているからといって抜歯が決まるわけではありません。揺れの程度や骨の状態を診察で確かめたうえで、歯を残せるかどうかを判断します。


隣の歯の傾きや向かい合う歯の伸びは起こる?


歯は、隣の歯や噛み合う歯と支え合って位置を保っています。すき間ができると、次のような変化が起こることがあります1。


  • 隣の歯が、空いた側へ傾く
  • 噛み合う相手を失った上下の歯が、少しずつ伸び出す

変化の速さには個人差があり、すぐに目立つとは限りません。それでも歯の位置がずれると、後から補う治療で人工の歯を並べるスペースが足りなくなる場合があります。


伸びた歯を戻す処置が必要か、その費用が別にかかるかは、歯の動いた量や歯周病の状態によって変わります。診察で確認しておきましょう2。


「奥歯がないと顔が変わる」とは限らない


「奥歯がない人は顔つきが変わる」という話を耳にして、不安を覚える方もいるでしょう。実際には、状況は次の点によって大きく異なります。


  • 失った歯の本数
  • 失った歯の位置
  • 残る歯の噛み合わせ

1本失っただけで、一律に顔が変わるとは言い切れません。一方で、複数の奥歯を長く失ったままにすると、噛み合わせの高さを保ちにくくなることはあります1。


見た目の心配より先に確かめたいのは、噛む機能が保たれているか、周囲の歯に負担が偏っていないかという点です2。


奥歯を補う三つの治療は、残る歯の状態から考える

奥歯を補う三つの治療は、残る歯の状態から考える

失った歯を人工の歯で補う治療を、補綴治療と呼びます。奥歯を失っても、全員に同じ方法が合うわけではありません。歯の本数や位置、残っている歯と歯ぐきの状態によって、候補が変わります2。


部分入れ歯:支える歯と取り外して行う手入れを確認


部分入れ歯は、残る歯に金属のバネなどをかけて固定する、取り外し式の装置です。奥歯が1本ない場合も候補になり、保険診療で作れる種類もあります。周囲の歯への処置が少なく済む点は利点といえます。


検討の際は、次の点も確認しておきましょう。


  • 装着時の厚みや異物感に、慣れるまで時間がかかることがある
  • バネをかける歯に負担がかかるため、その歯が歯周病でぐらついていないかの確認が前提になる
  • 毎食後に外して洗う手間がある2

起こりうる主な不具合や副作用には、次のようなものがあります。


  • 入れ歯が歯ぐきに当たって痛む、口内炎ができる
  • 話しにくさや、食べ物の味や温度を感じにくくなること
  • 手入れが不十分な場合、バネをかけた歯のむし歯や歯周病

ブリッジ:両隣の歯を支えにできるかを確認


ブリッジは、失った歯の両隣を土台にして、橋をかけるように人工の歯をつなぐ固定式の方法です。取り外して洗う手間がない点が、入れ歯との違いです。


ただし、土台になる歯は形を整えて被せ物をするため、健康な歯でも一部を処置することになります。選べるかどうかは、両隣の歯に十分な支えの力があるか、傾いていないかで分かれます。


保険診療の対象になるかは、部位や欠損の本数、使う材料によって異なります2。一番奥の歯を失った場合は片側に支えがないため、ブリッジは選びにくくなります。


起こりうる主な不具合や副作用には、次のようなものがあります。


  • 削った土台の歯が、冷たいものや熱いものでしみる
  • 痛みが続く場合、土台の歯の神経の処置が必要になること
  • 土台の歯に力が集中し、むし歯や歯周病、歯の割れが起こること

インプラント:骨量と歯周病の状態を確認


インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける方法です。周囲の歯を支えにしないため、隣の歯を処置せずに済みます。


一般的には自由診療(公的医療保険の適用外)です。外科処置を伴うため、次のような副作用やリスクがあります。


  • 手術後の痛み、腫れ、内出血(青あざ)
  • 傷口からの出血や感染
  • まれに、下顎の神経が傷ついて唇や顎にしびれが残ること
  • 上顎では、上顎洞に炎症が起こること
  • 人工の歯根が骨とうまく結びつかず、取り除く必要が生じること

上顎の奥歯は、上顎洞という空洞が近くにあります。骨の高さが足りない場合は、骨を補う処置を検討することがあります3。


また、歯周病が残ったままだと、インプラントの周囲にも炎症(インプラント周囲炎)が起こりえます。治療後の清掃と定期的な確認が、長く使い続けるための前提です2。


40代・50代の治療選びは、初期費用と通院後の負担まで見通す


40代・50代は、この先20年、30年と使う歯をどう整えるかを考える時期です。子どもの教育費や家族の通院の付き添いが重なる方も多いでしょう。費用と時間の両面から見通しておくと、判断がしやすくなります。


支払う費用は、保険の対象と作り直しの可能性を分けて考える


費用の区分は次のとおりです。


  • 保険診療の部分入れ歯やブリッジ:3割負担でも処置内容によって費用が異なる
  • 自費の材料を選んだ場合:材料や処置内容によって費用が異なる
  • インプラント:自由診療で、処置内容によって費用が異なる。奥歯1本あたりの一般的な相場は、検査・手術・人工の歯を含めて30万〜50万円程度です。骨を補う処置が必要な場合は、処置の種類や範囲によって、一般的に5万〜30万円程度の費用が別途加わります。治療期間は3か月〜1年程度、通院回数は5〜10回程度が一般的な目安です。骨を補う処置を行う場合は、期間や回数がさらに延びることがあります

ここで示した金額や期間は一般的な相場であり、当院の費用ではありません。実際の費用や期間は医療機関や口の状態によって異なります。当院の費用は、診察のうえでご案内します。


比べる際は、初期費用だけでなく、治療後にかかる費用も含めて考えると家計の見通しが立てやすくなります2。


  • 入れ歯の調整や作り直し
  • ブリッジの土台になった歯の治療
  • インプラントの定期的な点検やクリーニング

自費診療は負担が大きくなります。そのぶん、隣の歯への処置を避けられるなど、残る歯を長く保つうえでの利点も比較の材料になります。


抜歯後いつ始める?通院回数と治療中の食事も聞いておく


治療を始める時期は一律ではありません。抜歯後の歯ぐきや骨の治り具合、歯周病の治療の進み具合によって変わります2。


インプラントについては、抜歯後どの時期に埋め込むかで結果を比べた系統的レビューもあります4。ただ、実際の時期は骨と歯ぐきの状態を見て個別に決めます。奥歯に早い段階から噛む力をかける方法の報告もありますが、適応となる条件は限られます5。


仕事や家族の予定と組み合わせやすくするため、事前に次の点を尋ねておきましょう。


  • すき間が気になる期間に、仮の歯や仮の入れ歯を使えるか
  • 治療中に食べにくくなるもの
  • 通院の回数と間隔

残る歯を守るため、治療後の手入れと再治療も見込む


どの方法を選んでも、治療後の手入れが残る歯の状態を左右します。


  • 入れ歯:歯ぐきの形の変化に合わせた調整が必要
  • ブリッジ:人工の歯と歯ぐきのすき間に汚れがたまりやすく、専用のブラシやフロスでの清掃が求められる
  • インプラント:周囲の歯ぐきに炎症がないか、定期的な確認が求められる1

被せ物の破損や、土台の歯のむし歯などで、将来修理や再治療が必要になる可能性もあります。数か月ごとのメンテナンスに通い続けられるかどうかも、治療法を選ぶ判断材料に加えておきましょう2。


大垣市で杉山歯科医院に相談するときの確認事項


相談の目的は、その場で治療を決めることではありません。自分に合う候補を絞り込むことです。


失った歯の位置と、残る歯・歯ぐきの状態を伝える


受診の際は、次の点を伝えましょう。


  • 失った歯の本数と位置
  • 歯ぐきからの出血や、歯のぐらつき
  • 食いしばりの自覚
  • 糖尿病などの持病、服用中の薬、喫煙の有無

持病や服薬、喫煙は、治療の進め方や歯周病の経過に関わります1。上顎の奥歯など骨の量を詳しく確かめたい場合は、歯科用CTを使った診査が必要かどうかも尋ねてみてください3。


「1本だけ失った場合」と「複数失った場合」で候補を聞く


1本だけで両隣に健康な歯があるのか、一番奥を失ったのかで、候補は変わります。勧められた方法だけでなく、ほかの方法が選びにくい理由も聞いておくと納得しやすくなります。


複数の箇所で歯を失っている場合は、ブリッジとインプラントの併用などの組み合わせも含め、口全体の計画として確認しましょう2。


通える日時、費用の内訳、治療後の相談先を確認する


平日に時間が取りにくい方は、次の点を最初に相談しておくと予定を組みやすくなります。


  • 予約の取り方
  • 1回の所要時間
  • 通院回数の見込み

あわせて、支払いの時期や、調整・修理が必要になったときの対応も質問項目に加えましょう。


当院では、検査結果をもとに治療の内容や期間を説明し、患者さまに納得いただいてから治療に進む流れを大切にしています。診察時の説明がわかりやすいか、疑問に答えてもらえるかを、ご自身で確かめてください。


聞きたいことは、食べにくい料理とあわせてメモにまとめ、受診時に持参しましょう。限られた時間でも聞き漏らしを減らせます。


よくある質問


Q1. 奥歯を1本失った場合、入れ歯は必要ですか?


A. 部分入れ歯は候補の一つですが、ブリッジやインプラントが合う場合もあります。そのまま様子を見るという判断になる場合もあります。噛み合わせや周囲の歯の状態によって変わるため、診察で確認してから選ぶことをおすすめします。


Q2. 40代はむし歯になりやすいですか?


A. 40代以降は、歯ぐきが下がって歯の根元が出やすくなります。そこから、むし歯ができることがあります。過去に治療した被せ物のすき間も、注意したい場所です。定期的な検診とセルフケアで、早めに気づける体制を整えておくと安心です。


Q3. インプラントは治療後にも費用がかかりますか?


A. 治療後も、定期的な点検やクリーニングの費用がかかります。被せ物の修理が必要になることもあります。金額は医療機関によって異なるため、治療前に、継続して必要になる費用の目安を確認しておきましょう。


Q4. 仕事や家族の付き添いで、通院の間隔が空いても大丈夫ですか?


A. 治療内容によっては、間隔を調整できる段階もあります。一方で、仮の歯の状態や傷の治り具合によっては、早めの来院が求められることもあります。予定が立てにくい事情は、計画の段階で伝えておきましょう。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/

3. Esposito M, Grusovin MG, Rees J, et al. Interventions for replacing missing teeth: augmentation procedures of the maxillary sinus. Cochrane Database Syst Rev. 2010. PMID: 20238367 / DOI: 10.1002/14651858.CD008397

4. Bassir SH, El Kholy K, Chen CY, et al. Outcome of early dental implant placement versus other dental implant placement protocols: A systematic review and meta-analysis. J Periodontol. 2019. PMID: 30395355 / DOI: 10.1002/JPER.18-0338

5. Mugri MH, Sayed ME, Bhandi S, et al. Success rate of immediately loaded implants in the posterior zone. Niger J Clin Pract. 2023. PMID: 37794532 / DOI: 10.4103/njcp.njcp_884_22


杉山 健

歯科医師


杉山歯科医院

院長

杉山 健

▶ 監修者プロフィール

経歴
平成17年 大垣北高等学校卒業
平成23年 愛知学院大学歯学部卒業
岐阜大学医学部附属病院 歯科口腔外科
杉田玄白記念公立小浜病院(福井県)
平成25年 岐阜大学大学院 医学系研究科医科学専攻 (口腔病態学分野)
平成29年 岐阜大学医学部附属病院 歯科口腔外科 助教
平成30年 吹上みなみ歯科(名古屋市)
平成30年 医学博士号取得 医博甲第一〇八九号
令和2年 杉山歯科医院
資格・所属学会
医学博士
日本口腔外科学会認定 口腔外科認定医
日本再生医療学会 再生医療認定医
日本糖尿病協会登録歯科医
日本口腔科学会会員