ウイルス感染予防のための歯みがきについて

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ウイルス感染予防のための歯みがきについて

2021/05/12

ウイルス感染予防のための歯みがきについて

●ウイルス感染予防のための歯みがきについて

 

 

歯みがきで口腔内の細菌数を減らすことは、むし歯や歯周病を予防するだけでなく、ウイルス 感染症を予防することにつながるため、歯みがきはとても重要です。

 

特に学校において、口腔 衛生の教育の場として重要な役割があります。

 

 

歯みがきをする際や使った歯ブラシを洗浄・保管する際は、次の事項に注意しましょう。

 

歯ブ ラシを清潔に保つことが大切です。

 

日本歯科医師会ホームページ (令和3年3月8日)

https://www.jda.or.jp/corona/pdf/brush-teeth-20210308.pdf

 

まだまだ不明な点が多い新型コロナウイルス感染症に関しては、 最新情報を確認する必要があります。

 

職場や学校の洗口場で磨く場合

◎職場や学校の洗口場で磨く場合

 

  • ➢  換気に留意するとともに、3 密を避け、一度に多くの人が磨くことがないようにする。

  • ➢  飛沫が飛び散らないように口を出来るだけ閉じて注意しながら、歯ブラシを静かに小刻

    みに動かし、大きく動かさない。

  • ➢  歯みがきをしながら会話や動き回らない。

  • ➢  口をゆすぐ時は勢いよく吐き出さず、顔を流し場に近づけてそっと吐き出す。

    または、コップに吐き出すようにする。

  • ➢  コックのある蛇口を使用する際は、手を触れず紙やタオルなどを使う。

部屋や教室など室内で磨く場合

*部屋や教室など室内で磨く場合

 

➢ 口をゆすぐときは一回のゆすぎで、コップ等に吐き出す。 ➢ 磨いた後、机や手鏡をアルコール等で拭く。

 

 

*歯ブラシの洗浄・保管方法

➢ 使い終えた歯ブラシは流水できれいに洗う。
➢ 水分をよく切ってから、ヘッド部分を上にして風通しの良い場所で保管する。

 

 

参考:

・日本学校歯科医会 HP「学校における歯みがきについて」 https://www.nichigakushi.or.jp/news/corona2_qa.html

・日本小児学会 HP「小児のコロナウイルス感染症 2019(COVID-19)に関する医学的知見の現状」 https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=342

・Bulletin of the World Health Organization : the International Journal of Public Health 2005 ; 83(9) : 677-685「Health-promoting schools:an opportunity for oral health promotion」 https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/73276/bulletin_2005_83%289%29_677-685.pdf?sequence=1&isAllowed=y

公益社団法人 日本歯科医師会(令和 3 年 3 月 8 日)

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ウイルス感染予防のための歯磨きについて

ニューノーマル時代の歯磨きの新しい意味とは?

ニューノーマル時代の歯磨きの新しい意味とは?

ニューノーマル時代の歯磨きの新しい意味とは?

 

歯磨きの習慣は、非常に古く、古代エジプトの時代にもあったと言われています。

また日本では、江戸時代末期に非常に多数の歯磨剤が売られていたことが記録で残っています。口腔内を清潔にすることの意味は、科学が発達する以前から大切な事として根付いていたのです。

 

 現代では、主にむし歯や歯周病の予防を第一に考え歯磨きをする人が多いと思います。

また、口臭の予防などのエチケットという意味も含まれるようになっています。そして、ウイルスから身を守るために、いま口腔が注目されています。

 

サイエンス・イムノロジーという高名な科学雑誌に掲載されたIshoらの論文で、口腔は新型コロナウイルスの増殖部位である可能性を紹介しています[1]。

私たちの研究でも新型コロナウイルスの生体内侵入に必要な分子が、口腔粘膜、唾液、舌苔にあることを発見し、口腔が新型コロナウイルスの感染の入り口になることを示してきました[2]。

 

 ウイルス感染から身を守る方法として、インフルエンザウイルス対策でのこれまでの経験から、口腔のケアの大切さが強調されています。

特に、口腔を潤す唾液中には、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスをブロックするIgA抗体が認められ、感染を予防しています。しかし、IgAが効果的に働くには、口腔が清潔であることが大切です。

 

口腔を清潔にするために、歯磨剤を使用している人が多いと思います。

この歯磨剤に含まれる比較的有名な成分には、ラウリル硫酸ナトリウムなどがあります。

私たちの最近の研究で、この歯磨剤や洗口剤に広く使われている複数の成分(テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等)が、新型コロナウイルスの生体への結合や侵入をブロックする可能性を明らかにしました[3・4]。

さらに、IgAの活性には影響を与えないことから、生体の持つ免疫機構を阻害しないことも分かりました[3]。

 

 

 このように口腔に侵入してきた新型コロナウイルスは、歯磨剤を用いた歯磨きで感染を予防できる可能性があります。

また、既に口腔に感染している新型コロナウイルスは、歯磨剤を用いた歯磨きでウイルス量を減少させることも期待されます。

 

 

 ニューノーマル時代の歯磨剤を用いた歯磨きは、むし歯や歯周病の予防と同時に、科学の力によりウイルス感染対策という新しい役割が見いだされたといえるのではないでしょうか。歯磨きは、誰でも気軽にできる健康のための第1歩です。ぜひ、歯磨きを積極的にしていきましょう。

 

 

参考文献:

[1] Isho B. et al. Sci. Immunol. 10.1126/sciimmunol. Abe5511 (2020).
[2]Sakaguch W. et al. Int. J. Mol. Sci. Aug 20;21(17):6000. doi: 10.3390/ijms21176000. (2020).
[3]柚鳥眞里ら.新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染関連因子Sタンパク-ACE2結合に対する歯磨剤及び洗口剤成分の阻害作用.⽇本化学会第101春季年会にて発表.
[4]牧野莉帆ら.新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染関連因子TMPRSS2活性に対する歯磨剤及び洗口剤成分の阻害作用.⽇本化学会第101春季年会にて発表.

 

日本歯科医師会ホームページ

https://www.jda.or.jp/corona/New-normal.html

ウィズコロナ時代の歯の磨き方

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